以下はサイト管理者・守屋が知人の医師等とのコミュニケーションの中で得た,主として医療機関の外来におけるCOVID-19対策のアイディア集です.
現時点では医学的エビデンスに乏しい対策も多数含まれていますが,
「今できるベスト」を尽くそうとする各地の医療機関や医療職の知恵の結集です.
医療機関はそれぞれ,建物の構造,スタッフの配置,受診する患者層,地域の状況等,千差万別で個別性が強いものです.
そのため,以下のアイディアたちは,そのままの形で他の医療機関には適用できないかもしれません.
しかし大きなヒントにはなるでしょう.
これらアイディアを基に,ご自身の医療機関で「明日すぐに導入できるCOVID-19対策」「1-2週間以内に実現出来るCOVID-19対策」等を,是非検討してください.
自分を守り,職員を守り,医療機関を守り,受診者(患者さん)を守り,地域全体を守る.
最前線でCOVID-19と闘う医療機関の皆さまに,このページが少しでもお役に立てることを願っています.
地域住民・受診者への啓発
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待合室等での感染拡大を防ぐために,定期受診者の処方期間を通常よりも長くし,受診頻度を減らすようにしている.
- (東日本・診療所家庭医)
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ポスター,リーフレット類
医療機関入口前後でのトリアージ
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発熱者は駐車場の自家用車内で待機していただき,携帯電話で院内と連絡をとる.
- (東日本・診療所家庭医,中部・病院家庭医)
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トリアージで検知した疑い患者の動線分離
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自院は出入口,待合室,診察室がすべて1箇所ずつしかない.疑い患者の動線分離のために,従業員入口の活用を検討中.
- (西日本・内科兼透析診療所医師)
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2009年新型インフルエンザの際に,診療所の外に診察室を設置した.疑い患者はそちらで診察する.
- (西日本・診療所内科医)
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気になる患者のフォローアップ再診では,外来時間帯の最後に受診していただく等,時間分離を行う.
- (西日本・病院感染症科医)
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問診・診察におけるtips
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2月中旬現在:季節性インフルエンザや感冒等が多い中,感冒症状を発症し,4日目ごろから倦怠感と咳が強くなる患者さんが増えているのが気になっている.
- (中部・診療所家庭医)
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2月中旬現在:季節性インフルエンザ様ではあるがflu迅速検査は陰性で,採血上は細菌性感染を疑うデータに乏しく,身体所見・画像上も肺炎を示唆しない中高年が増えている.口を揃えて「倦怠感」を自ら訴えることが気になっている.
- (中部・診療所家庭医)
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COVID-19は小児は罹患しにくいようなので,家庭内等で小児の感染が先行して成人が後から感冒症状を発症した場合は,COVID-19の可能性は低いのではないか.
- (西日本・病院感染症科医)
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一般検査の適用
一定の疑いがあるがPCR検査の適用がない場合のフォローアップ法
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発熱しているが呼吸不全のない患者は,5日間経過観察を行う.季節性インフルエンザならその間に解熱するはず.5日間経過しても発熱が持続する場合はCOVID-19を鑑別に挙げ,胸部X線も検討する.5日間観察する間に他院へドクターショッピングしないよう十分に説明する.COVID-19だった場合,ドクターショッピングによって感染拡大が起きるため.
- (東日本・診療所家庭医)
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感冒症状発症から3日以内の患者でCOVID-19と普通感冒を鑑別するのは不可能.経過観察が必須.特に気になる患者については,「3日後の電話フォローアップ」「3日後に外来の一番最後に受診(=時間分離)」を検討.
- (西日本・病院感染症科医)
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PCR検査の適用がある場合の動き