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!ワクチン
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!Pfizerワクチン
:(※新型インフルエンザワクチンは,元々技術が確立されている季節性インフルエンザワクチンを応用する形なので,新興病原体への完全な新規ワクチンとはやや事情が異なります)
それも,エボラウイルスの発見が1976年,ワクチン開発が動物実験レベルで始まったのは2005年.前述のとおりウイルスベクターワクチンで,[https://en.wikipedia.org/wiki/RVSV-ZEBOV_vaccine rVSV-ZEBOVワクチン]と呼ばれました.<br> これが緊急治験の形でヒトに本格的に投与されたのは,[https://ja.wikipedia.org/wiki/2014%E5%B9%B4%E3%81%AE%E8%A5%BF%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%A8%E3%83%9C%E3%83%A9%E5%87%BA%E8%A1%80%E7%86%B1%E6%B5%81%E8%A1%8C 2014年をピークに西アフリカで大流行した際]が初めてでした.しかし致死率が50%を超える病原体であることから,倫理的理由によりプラセボ群が設定されなかったため,治験結果は疑問視されました.<br> 次の[https://en.wikipedia.org/wiki/Kivu_Ebola_epidemic 2018年のコンゴ民主共和国での大流行]では,効果が疑問視されたままのエボラワクチンを人道的使用 compassionate use として投与しています.この使用実績を2019年に解析したところ,接種者のエボラ発症が未接種者に比べて[https://www.who.int/csr/resources/publications/ebola/ebola-ring-vaccination-results-12-april-2019.pdf 97.5%抑えられていた(VEが97.5%だった)]ことが判明し,ようやく効果が実証されました.<br> 
それを踏まえ,WHOは2019年,[https://www.who.int/news/item/12-11-2019-who-prequalifies-ebola-vaccine-paving-the-way-for-its-use-in-high-risk-countries rVSV-ZEBOVに事前認証 prequalification] を出しました.ヒト治験開始の2014年から数えても'''5年'''が経過しています.
それが,新型コロナでは'''たったの1年'''.しかもヒト実用化が初めてのmRNAワクチンが2つも含まれています.<br> 長期的な効果や未発見の副反応など課題は山積みですが,mRNAワクチンであれウイルスベクターワクチンであれ今回で実績が定まれば,再び新興病原体が登場しても遺伝子工学によって速やかにワクチンを新規開発することができます.
長期的な効果や未発見の副反応など課題は山積みですが,mRNAワクチンであれウイルスベクターワクチンであれ今回で実績が定まれば,再び新興病原体が登場しても遺伝子工学によって速やかにワクチンを新規開発することができます.<br>
'''新型コロナだけでなく未知の新興病原体への対策にも希望を切り拓いた'''という点で,'''ワクチン史に残る出来事'''だと言えるでしょう.

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