「新型コロナワクチンまとめ(医療従事者向け)」の版間の差分
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==「ワクチンの効果 vaccine efficacy」とは,「接種しなかったので感染した人数」から「接種したけど感染した人数」への「割引率」== | ==「ワクチンの効果 vaccine efficacy」とは,「接種しなかったので感染した人数」から「接種したけど感染した人数」への「割引率」== | ||
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==米英で緊急認可済みの3ワクチンのかんたんまとめ== | ==米英で緊急認可済みの3ワクチンのかんたんまとめ== |
2021年1月11日 (月) 13:17時点における版
目次
要点と個人的見解
「ワクチンの効果 vaccine efficacy」とは,「接種しなかったので感染した人数」から「接種したけど感染した人数」への「割引率」
本題に入る前に,ワクチンの「効果」を知っておきましょう.
「このワクチンを接種すると95%の予防効果がある」とは具体的にどういう意味なのか?
新しく開発された薬(ワクチンも含む)の効果を確かめて,国として認可するかどうかを見極めるために,「治験(ちけん)」という医学研究を行います.
治験では,たくさんの自発的な参加者を募って,くじ引きで半分に分けます.半分の人には開発した薬を投与し,残りの半分の人には「効果のない成分だが見た目はそっくりなもの」を投与します.「効果のない成分だが見た目は
例えば治験参加者が20,000
米英で緊急認可済みの3ワクチンのかんたんまとめ
わかっていること
- ファイザーとモデルナのmRNAワクチンでは,2回目接種の7日後以降または14日後以降の時点で,症状が出てから検査・診断されるコロナが,約95%の効果で予防できる.
- アストラゼネカのウイルスベクターワクチンでは,2回目接種の28日後以降の時点で,症状が出てから検査・診断されるコロナが,約70-90%の効果で予防できる.
- ファイザーとモデルナのmRNAワクチンおよびアストラゼネカのウイルスベクターワクチンでは,接種部位の痛み,倦怠感(だるさ),発熱,アナフィラキシーショックなどのどんなワクチンでも起こる副反応はあったが,ワクチンが明らかに原因と考えられる重大な副反応は今のところ報告されていない.
まだわからないこと
- 3ワクチンとも,2回目接種から長期間(3ヶ月,半年,1年,5年など)経った後も効果が続くかどうかわかっていない.
- プラセボ接種された人をさらに長期間観察すれば判明するが,プラセボ接種者に本当のワクチンを打たないままにするのが倫理的に許されるかどうか議論が出る可能性がある.
- プラセボ接種者に早々に本当のワクチンを接種すると,長期間の効果は判定不可能になる.
- ファイザーとモデルナのmRNAワクチンでは,無症状コロナ感染が予防できたかどうか全くわかっていない.
- 3ワクチンとも,ワクチン接種者とプラセボ接種者のそれぞれからクラスターが発生したかどうか,ワクチン接種者からのクラスターが少なかったかどうか,全くわかっていない.
- 悪いシナリオとしては,ワクチン接種で発症は予防できるが他人への感染性は予防できない可能性がある.すなわち集団免疫が獲得できず,接種した個人だけにメリットがあるワクチンという可能性が今のところは否定できない.