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==3ワクチン論文からわかること,わからないこと==
3ワクチン論文から効果と有害事象を読み取ることができますが,論文から「わかること」と「わからないこと」を改めて整理すると,下記のとおりです. 判明した結果ばかりに目を奪われず,「まだわからないこと」をしっかり認識することが重要です. ===わかっていること論文からわかること===*ファイザーとモデルナのmRNAワクチンでは,2回目接種の7日後以降または14日後以降の時点で,症状が出てから検査・診断されるコロナが,約95PfizerとModernaのmRNAワクチンでは,2回目接種の7日or14日後以降の時点で,COVIDの発症(症状が出てから検査・診断されるCOVID)が,約95%の効果で予防できる.の VE で予防できる.*アストラゼネカのウイルスベクターワクチンでは,2回目接種の28日後以降の時点で,症状が出てから検査・診断されるコロナが,約70AstraZenecaのウイルスベクターワクチンでは,2回目接種の14日後以降の時点で,COVIDの発症,約70-90%の効果で予防できる.の VE で予防できる.*ファイザーとモデルナのmRNAワクチンおよびアストラゼネカのウイルスベクターワクチンでは,接種部位の痛み,倦怠感(だるさ),発熱,アナフィラキシーショックなどのどんなワクチンでも起こる副反応はあったが,ワクチンが明らかに原因と考えられる重大な副反応は今のところ報告されていない.3ワクチンともに,ワクチンとして当然予想される接種部位疼痛や発熱などの反応性症状はプラセボよりも多く観察されたが,明らかにワクチンが原因と思われる重篤な有害事象は治験期間中には観察されなかった.
===まだわからないこと===
*3ワクチンとも,2回目接種から長期間(3ヶ月,半年,1年,5年など)経った後も効果が続くかどうかわかっていない.3ワクチンとも,2回目接種から長期間経過後(例えば半年後,1年後,5年後など)予防効果が続くのか,いずれ減弱してプラセボとの差がなくなってしまうのか,まだわからない.:※2回目接種からCOVID発症までの治験中の平均追跡期間は,3ワクチンとも40日台~80日台,すなわちせいぜい3ヶ月以内.:※治験参加者をさらに長期間観察すれば長期効果もわかっていくが,世界的大流行が続く中でプラセボ接種者に本当のワクチンを打たないまま1年も2年も経過観察するのが倫理的に許されるのか,議論が出る可能性がある.ただしプラセボ接種者に今後本当のワクチンを接種すれば,その後の長期間の効果は判定不可能になる.**プラセボ接種された人をさらに長期間観察すれば判明するが,プラセボ接種者に本当のワクチンを打たないままにするのが倫理的に許されるかどうか議論が出る可能性がある.PfizerワクチンとModernaワクチンでは,無症状COVID感染が予防できるのか,まだわからない.**プラセボ接種者に早々に本当のワクチンを接種すると,長期間の効果は判定不可能になる.AstraZenecaワクチンでは,無症状COVID感染の予防は検出されなかった.([[#結果:効果 vaccine efficacy|後述]])*ファイザーとモデルナのmRNAワクチンでは,無症状コロナ感染が予防できたかどうか全くわかっていない.3ワクチンとも,他者への感染を予防できるのか,まだわからない.*3ワクチンとも,ワクチン接種者とプラセボ接種者のそれぞれからクラスターが発生したかどうか,ワクチン接種者からのクラスターが少なかったかどうか,全くわかっていない.**悪いシナリオとしては,ワクチン接種で:※悪いシナリオとしては,「3ワクチンで'''発症'''は予防できるが'''他人への感染性他者への感染性'''は予防できない可能性がある.すなわち集団免疫が獲得できず,接種した個人だけにメリットがあるワクチンという可能性が今のところは否定できない.は予防できない可能性」がある.すなわち集団免疫が獲得できず,接種した個人だけにメリットがある可能性が,今のところは否定できない.
==良いシナリオ==

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