要点と個人的見解
「ワクチンの効果 vaccine efficacy」とは,「接種することで感染しなくて済む度合い」
米英で緊急認可済みの3ワクチンのかんたんまとめ
わかっていること
- ファイザーとモデルナのmRNAワクチンでは,2回目接種の7日後以降または14日後以降の時点で,症状が出てから検査・診断されるコロナが,約95%の効果で予防できる.
- アストラゼネカのウイルスベクターワクチンでは,2回目接種の28日後以降の時点で,症状が出てから検査・診断されるコロナが,約70-90%の効果で予防できる.
- ファイザーとモデルナのmRNAワクチンおよびアストラゼネカのウイルスベクターワクチンでは,接種部位の痛み,倦怠感(だるさ),発熱,アナフィラキシーショックなどのどんなワクチンでも起こる副反応はあったが,ワクチンが明らかに原因と考えられる重大な副反応は今のところ報告されていない.
まだわからないこと
- 3ワクチンとも,2回目接種から長期間(3ヶ月,半年,1年,5年など)経った後も効果が続くかどうかわかっていない.
- プラセボ接種された人をさらに長期間観察すれば判明するが,プラセボ接種者に本当のワクチンを打たないままにするのが倫理的に許されるかどうか議論が出る可能性がある.
- プラセボ接種者に早々に本当のワクチンを接種すると,長期間の効果は判定不可能になる.
- ファイザーとモデルナのmRNAワクチンでは,無症状コロナ感染が予防できたかどうか全くわかっていない.
- 3ワクチンとも,ワクチン接種者とプラセボ接種者のそれぞれからクラスターが発生したかどうか,ワクチン接種者からのクラスターが少なかったかどうか,全くわかっていない.
- 悪いシナリオとしては,ワクチン接種で発症は予防できるが他人への感染性は予防できない可能性がある.すなわち集団免疫が獲得できず,接種した個人だけにメリットがあるワクチンという可能性が今のところは否定できない.
コロナワクチンの開発手法
良いシナリオ
良いシナリオ①感染爆発国で新規患者数が減少する
良いシナリオ②世界的に新規患者数が減少する
良いシナリオ③世界でコロナが収束するか風邪程度のウイルスに変異して定着する
現実のハードル
人口が多い国ほど接種完了までに時間がかかる
感染者数が少ない国ではワクチンの効果を国として実感しにくい
敢えて想像する悪いシナリオ
悪いシナリオ①効果が短期間しかもたない
悪いシナリオ②重い副反応が後からわかってワクチン忌避が起きる
悪いシナリオ③コロナ重症化が後からわかってワクチン忌避が起きる
悪いシナリオ④国際渡航その他の場面で接種を要求(強要)されたり差別が起きる
日本でのコロナワクチン接種体制について
改正予防接種法における扱い
日本政府による調達計画
日本での治験と認可
接種の是非の判断を迫られる人々
米英で緊急認可済みの3ワクチンの詳しいまとめ