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==妊婦==
3ワクチンとも治験では妊婦は除外しています.したがって妊婦における効果と安全性は全く検証されていません.<br>そもそもどんなワクチンでも,最初の開発段階で妊婦を治験に組み入れることはしません.倫理面のハードルが高すぎますし,実際に充分数の妊婦を登録することも困難です.
そもそもどんなワクチンでも,最初の開発段階で妊婦を治験に組み入れることは通常しません.一方で,認可後(市販後)に妊婦に接種されるようになったワクチンは複数あります. 百日咳ワクチン,不活化インフルエンザワクチンはその典型です.黄熱アウトブレイク時には妊婦も接種が推奨されることがあります.*百日咳ワクチンは,妊婦に接種することで母胎内に抗体が産生され,経胎盤的に胎児に移行することで出生直後の新生児を百日咳から守ります.百日咳ワクチンは生後2ヶ月以降にしか接種できないため,百日咳が流行する環境では新生児百日咳死亡の予防には妊婦への接種が有効なのです.*妊婦が季節性インフルエンザに罹患すると,非妊婦に比べて重症化(入院)率や死亡率が増加することが以前から知られています.妊婦自身を守るために,不活化インフルエンザワクチンの接種が推奨されます.*生ワクチンである黄熱ワクチンは通常時は妊婦には接種禁忌です.しかし黄熱は致死率が10%前後に達するウイルス性出血熱であり,アウトブレイクした場合は胎児への潜在的リスクよりも妊婦の生命とアウトブレイクコントロールが優先され,妊婦にも接種が推奨されることがあります.実際にアンゴラ等で大規模アウトブレイクした際に妊婦への接種実績がありますが,接種妊婦から出生した児の先天異常等は非接種妊婦出生に比べて特に増加していないことが明らかになっています. そして,妊婦がCOVID
妊婦とワクチンについての原則は,生ワクチンと非生ワクチン(不活化など)で異なります.
#生ワクチンは,胎児への理論的なワクチン株感染リスクと感染による先天異常や妊娠合併症のリスクがあるため,妊婦には接種禁忌
::*黄熱ワクチンも通常時は妊婦には接種禁忌だが
#非生ワクチン(不活化など)は,抗原のみが母胎内を循環するため理論的には胎児への障害は考えにくく,接種による利益が有害事象のリスクを上回るならば接種可
::**百日咳ワクチン,インフルエンザワクチンなどは,妊娠後期に接種することで母胎が産生した抗体が経胎盤的に胎児にも移行し,出生後に充分な受動免疫を与えることで新生児を感染から守るため,積極的な接種が望ましい百日咳ワクチン,インフルエンザワクチンなどは,妊娠後期に接種することで母胎が産生した抗体が経胎盤的に胎児にも移行し,出生後に充分な受動免疫を与えることで新生児を感染から守るため,妊婦への積極的な接種が望ましい
3ワクチンのうち,PfizerおよびModernaのmRNAワクチンは,純然たる非生ワクチンです.核酸の断片(mRNA)を接種し,それが細胞質内で抗原タンパクを産生するのみです.したがって上記「2.」の原則は理論的には適用可能と言えるでしょう.

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