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==授乳婦==
授乳については,妊娠よりは検討事項が少ないと言えるでしょう.
 
一般論として,非生ワクチンは授乳婦に安全に接種できます.非生ワクチンで体内を循環するのは病原体の抗原のみであり,仮に乳汁中に分泌されたとしても乳児に理論的な影響はありません.
:参考までに,生ワクチンのうちで黄熱ワクチンは授乳婦には禁忌とされています.世界で3例のみではありますが,授乳婦に黄熱ワクチンを接種した後で授乳された新生児がウイルス性脳炎を起こし,脊髄液からワクチン株ウイルスが検出されたという報告があります.しかし非生ワクチンではこのようなことは理論的にあり得ません.
 
そのため,少なくともmRNAワクチンは授乳婦で禁忌とする理由はないでしょう.
 
ウイルスベクターワクチンについては,AstraZenecaワクチンに含まれるベクターウイルスは増殖能を欠失させてあるため,有意に乳汁分泌されるほど体内を大量に循環するとは考えにくいです.また,仮に乳汁分泌されて乳児の口に入ったとしても,そもそもチンパンジーアデノウイルスはヒトに病原性を持たないため,理論的には問題ないことになります.
 
しかしいずれのワクチンも,授乳婦に接種した場合の乳児の安全性を治験で検証したわけではありません.
 
授乳婦のCOVID感染リスクや重症化リスクが高い場合に,接種の利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断するならば,充分な説明の下に決断することが必要でしょう.説明においては,乳児が何らかの疾病状態になった場合に「授乳婦が接種を受けたことが原因だ」と心理的に結び付けてしまう可能性も共有すべきでしょう.
 
===妊娠挙児希望男女:日本での指針===
===妊娠挙児希望男女:各国での指針===

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