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ウイルスベクターワクチンについては,AstraZenecaワクチンに含まれるベクターウイルスは増殖能を欠失させてあるため,有意に乳汁分泌されるほど体内を大量に循環するとは考えにくいです.また,仮に乳汁分泌されて乳児の口に入ったとしても,そもそもチンパンジーアデノウイルスはヒトに病原性を持たないため,理論的には問題ないことになります.
しかしいずれのワクチンも,授乳婦に接種した場合の乳児の安全性を治験で検証したわけではありません.しかしいずれのワクチンも,授乳婦に接種した場合の乳児の安全性を治験で検証したわけではありません.乳児または授乳婦における未知の有害事象が今後報告される可能性は否定できません.
授乳婦のCOVID感染リスクや重症化リスクが高い場合に,接種の利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断するならば,充分な説明の下に決断することが必要でしょう.説明においては,乳児が何らかの疾病状態になった場合に「授乳婦が接種を受けたことが原因だ」と心理的に結び付けてしまう可能性も共有すべきでしょう.これらを踏まえると,授乳婦のCOVID感染リスクや重症化リスクが高い場合に,接種の利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断するならば,充分な説明の下に決断することが必要でしょう.説明においては,乳児が何らかの疾病状態になった場合に「授乳婦が接種を受けたことが原因だ」と心理的に結び付けてしまう可能性も共有すべきでしょう.
===妊娠挙児希望男女:日本での指針===
厚生労働省は2021年1月31日現在,授乳婦への接種について何ら指針を示していません.
 
サイト管理者が検索した範囲では,授乳婦への接種について声明を出している学会等もありません.
 
===妊娠挙児希望男女:各国での指針===
以下に各国政府等の指針をまとめます.
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!style="width:7em;"|米国
|[https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/info-by-product/clinical-considerations.html#pregnant 医療従事者などの接種推奨対象である妊婦は,周囲の流行状況,本人の感染リスク,ワクチンの効果,未知の有害事象リスク等について本人と接種医が充分に検討した上で,mRNAワクチンの接種を選択してもよい.mRNAワクチン接種後に妊娠を試みる場合は,特に間隔を空ける必要はないmRNAワクチンが授乳婦および乳児に与える影響に関するデータはない.mRNAワクチンは乳児へのリスクになるとは考えられない.接種優先対象の授乳婦は接種を選択してもよい]
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!英国
|[https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/955548/Greenbook_chapter_14a_v6.pdf AstraZenecaワクチンのベクターウイルスは増殖能を失活させてあるため理論的には妊婦にも胎児にも感染せず,同じくウイルスベクターワクチンであるエボラワクチンは広く女性に接種されてきたが妊娠への影響は報告されていないが,COVIDワクチンは妊婦には積極的には推奨しない.感染リスクが高い妊婦,合併症がある妊婦では接種を検討すべきである.接種後に妊娠が判明した場合は中絶は推奨せず,完遂することを勧告する(PDF13ページ)非生ワクチンの授乳婦への接種について既知のリスクはない.授乳婦に接種してもよい.授乳が乳児の発達と健康にもたらす利益および授乳婦のCOVIDワクチン接種の必要性を充分考慮すると共に,授乳婦と乳児への安全性は検証されていないことも説明すべきである(PDF13ページ)]([https://www.gov.uk/government/publications/safety-of-covid-19-vaccines-when-given-in-pregnancy/the-safety-of-covid-19-vaccines-when-given-in-pregnancy こちらも参照])
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!カナダ
|[https://www.canada.ca/en/public-health/services/immunization/national-advisory-committee-on-immunization-naci/recommendations-use-covid-19-vaccines.html#a7 妊婦のリスクアセスメントの結果,接種による利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断した場合は,充分なインフォームドコンセントの下で接種してもよい授乳婦のリスクアセスメントの結果,接種による利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断した場合は,効果と安全性は検証されていないことも含めた充分なインフォームドコンセントの下で接種してもよい]
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!オーストラリア
|[https://www.health.gov.au/initiatives-and-programs/covid-19-vaccines/about-covid-19-vaccines/about-the-pfizerbiontech-covid-19-vaccine#can-pregnant-and-breastfeeding-women-get-vaccinated 妊婦へのPfizerワクチンの接種について専門家グループが検討中であり,近日中に発表する予定(2021年2月2日閲覧時点)授乳婦へのPfizerワクチンの接種について専門家グループが検討中であり,近日中に発表する予定(2021年2月2日閲覧時点)]
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!シンガポール
|[https://www.moh.gov.sg/covid-19/vaccination 妊婦への接種は推奨しない授乳婦は接種してもよいが,接種後5-7日間は授乳を中断すること]
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!ノルウェー
|[https://www.fhi.no/contentassets/a205c3f07a8c498e920526ad8668386f/vedlegg/Engelsk-english_Koronavaksine_1-2-3.pdf 妊婦への接種について言及なし授乳婦への接種について言及なし]
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!スウェーデン
|[https://www.krisinformation.se/tools/faq/?FaqCollection=1071&cid=569022#faq-20665 妊婦への接種は行わない授乳婦への接種について言及なし]
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!イスラエル
|[https://govextra.gov.il/ministry-of-health/covid19-vaccine/en-covid19-vaccination-information/ 妊婦への接種は可能授乳婦への接種について言及なし]([https://www.gov.il/he/departments/news/19012021-05 ※妊婦への接種の詳細な声明はヘブライ語のみ提供])
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