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一部には人権制限も伴うような、強制力のある措置ばかりですので、'''措置対象者は明確に定められなければいけません'''。
感染症法では、措置対象者を以下のような用語・表現で記しています。<br> 
これらの用語・表現の明確な定義は一部を除いて感染症法内には記されておらず、医学的常識に従って解釈したり、別途発出される[[通知,事務連絡,その他文書の違い|通知等]]によって意思統一が図られます。
|+感染症法の条文において表現されている措置対象者
!感染症法上の表現
!主な条文定義した条文
!感染症法上の定義、一般的な解釈
!備考
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!患者
|(定義なし)
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|*合致する症状があり、かつ、*合致する症状があり、かつ、原因となる病原体が検査によって検出された者*原因となる病原体が検査によって検出された者::または**合致する症状があり、医師が当該感染症だと診断した者
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*病原体検査の陽性を要件とするか否かは、その時点の医学的知見も踏まえて、感染症ごとに[[通知,事務連絡,その他文書の違い|通知]]や症例定義等で決定される
*感染症疫学における「確定例(confirmed case)」に相当
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!疑似症患者当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者|(定義なし)
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*合致する症状があり、暴露歴等によって感染した可能性が考えられるが、検査等による確定診断には至っていない者感染症法上に明確な定義はないが、下記の条文で使用されている**第8条第2項「新型インフルエンザ等感染症の'''疑似症患者'''であって'''当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者'''については、新型インフルエンザ等感染症の'''患者とみなして'''(後略)」**第17条「都道府県知事は(中略)'''当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者'''に'''健康診断'''を受けさせる(後略)」
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*第8条第2項における使用では、「新型インフルエンザ等感染症の疑似症患者」だけでは季節性インフルエンザやその他の急性呼吸器疾患と鑑別できず、そのままでは入院等の強い措置を実施するのは不適切、という前提となっている。そのため、「疑うに足りる正当な理由」、例えば確定患者との接触歴や流行地への滞在歴等を加味することで、初めて入院等の強い措置をとるよう定めている。
*第17条における使用では、やはり健康診断という強い措置を実施する根拠として、例えば曝露源との接触歴や流行地への滞在等を加味することで、初めて健康診断を受けさせるよう定めている。
*こうした点で、感染症疫学の「可能性例(probable case)」に相当する
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!当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者疑似症患者|第6条第10項
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*「感染症の疑似症を呈している者をいう」(第6条第10項)
*合致する症状があるが、病原体検査又は医師の診断によって確定されていない者
*一類感染症および一部の二類感染症の疑似症患者に対して、患者(確定患者)と同等の措置を実施できるよう、第8条第1項で定めている
**重大な感染症は確定前であっても入院(第19条)などの強い措置を実施できるようにするため
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*第6条第10項の定義に従うなら感染症疫学における「疑い例(suspected case)」に相当する
**ただし、一部の感染症の症例定義においては感染症疫学の「可能性例(probable case)」に相当することもあり、注意が必要
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!無症状病原体保持者
|第6条第11項
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*「感染症の病原体を保有している者であって当該感染症の症状を呈していない者をいう」(第6条第11項)
*検査によって病原体が体内から検出されたが、無症状である者;臨床でいう不顕性感染者
*例えば一類感染症であるラッサ熱に罹患し病原体検査によって確定した患者が入院(第19条)し、治療によって症状が消失した場合は、病原体検査を再度行い、病原体が消失したのを確認して初めて退院(第22条)となる。この場合、症状は消失しているが病原体検査がまだ陽性である場合は、無症状病原体保有者として入院措置が継続されることになる。
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