新型コロナワクチン対象者別検討

提供: 新型コロナウイルス感染症まとめサイト
2021年2月2日 (火) 17:14時点におけるAdmin (トーク | 投稿記録)による版 (→‎妊婦)
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このページの目的

Pfizer, Moderna, AstraZenecaの各コロナワクチンの治験 phase 3 結果が論文化されたことは「新型コロナワクチンまとめ(医療従事者向け)」で解説しているとおりです.

治験結果を踏まえ、米国、英国をはじめ複数の国でこれらワクチンが承認され、接種が始まっています.

製薬会社の役割は,ワクチンを開発・治験して承認申請するまでです.
ワクチンを承認するのは各国政府の役割です.
そして,承認したワクチンをどういう人に接種しどういう人には接種しないのかの指針を示す(時には規制する)のも,各国政府の役割です.

治験では,効果を明瞭に示すために,接種対象者は厳格に絞られていました.
しかし承認後は,ありとあらゆる背景を持つ実際の市民が接種対象者となります.治験では対象外だった条件の市民にも,接種するか否かを決定せねばなりません.
承認後に政府が決めた指針(規制)に照らし,個別の市民での接種の可否を判断し決定するのは,接種担当医であり,市民本人です

治験で対象外だった条件の人に接種すべきか否か.政府の指針に照らしても接種可否を容易に判断できないことがしばしばあります.

このページは,そうした接種可否の判断材料をまとめています.

免責事項

このページはあくまでも参考情報のまとめにすぎません.

個々の接種可否の決断は,個々の当事者(接種担当医師,対象者本人,対象者本人の主治医等)の責任において行ってください.

このページの情報を参考にして行われた医療行為等の選択および結果については,サイト管理者は一切の責任を負いません.

参照先リスト

各国別の参照先リスト

日本

種別 サイト
政府機関 厚生労働省|新型コロナワクチンについて
政府機関 内閣官房|新型コロナワクチンについて
学会 日本産婦人科感染症学会
学会 日本感染症学会

WHO

種別 サイト
国際機関 WHO|COVID-19 vaccines

米国

種別 サイト
政府機関 CDC - ACIP|COVID-19 ACIP Vaccine Recommendations

英国

種別 サイト
政府機関 GOV.UK|COVID-19 vaccination programme
政府機関 COVID-19 vaccination programme, Information for healthcare practitioners Ver.3.1 (11 January 2021)(※PDF)
政府機関 The Green Book, chapter 14a: COVID-19(※PDF)

カナダ

種別 サイト
政府機関 Canada.ca|Vaccines for COVID-19
政府機関 Recommendations on the use of COVID-19 vaccines (January 12, 2021)

オーストラリア

種別 サイト
政府機関 保健省|COVID-19 vaccines

シンガポール

種別 サイト
政府機関 保健省|COVID-19 Vaccination

ノルウェー

種別 サイト
政府機関 国立公衆衛生研究所|Coronavirus immunisation programme

スウェーデン

種別 サイト
政府機関 緊急事態省|Official information on the Covid-19 pandemic / Vaccine

イスラエル

種別 サイト
政府機関 保健省|COVID-19 Vaccine


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高齢者

3ワクチンとも治験参加者に高齢者が含まれています.ただし,年齢階層ごとの割合は治験論文にはあまり明確に書かれていません.
新型コロナワクチンまとめ」で示したとおり,Pfizerワクチンで55歳以上が42.3%,Modernaで65歳以上が24.8%,AstraZenecaで70歳以上が3.8%と,集計の仕方もバラバラです.

どの治験でもSupplement/Appendixで年齢階層別のサブグループ解析をしており,高齢者でも差は検出されています.

有害事象についても,疼痛や発熱等の反応性症状は高齢者の方が低頻度でした.高齢者に限定的かつ因果関係が疑われる有害事象も報告されていません.

ざっくりした話としては,3ワクチンは高齢者でもCOVID発症予防効果があり,接種をためらうような有害事象も増えない,と期待できるでしょう.

また,高齢であるほどCOVIDによる重症化や死亡のリスクが階段状に跳ね上がることは周知のとおりです.

以上により,3ワクチンの高齢者への接種をためらう理由は今のところないと言えるでしょう.

ただし,日本で対象者が多数に及ぶと思われる70代,80代,90代のような各高齢者層での真の効果と安全性については,治験結果だけから確実に判断することは困難です.

また一般論として,ワクチンの効果は高齢になるほど低下することが他の複数のワクチンで示唆されています.

ひょっとしたら若年者よりは効果が落ちるかもしれないが,COVIDによる重症化・死亡リスクを考えれば,接種をためらう理由はない」と整理します.

高齢者:日本での指針

厚生労働省は新型コロナワクチン接種についてのお知らせにおいて,65歳以上の高齢者を医療従事者等に次ぐ優先順位の接種対象者としています.

自治体向け通知・事務連絡等」に掲出されている事務連絡等においても,高齢者入所施設等での接種の準備等に言及しています.

高齢者:各国での指針

以下に各国政府等の指針をまとめます.

米国 高齢者を含む接種年齢上限について特に言及なし
英国 80歳以上も含めて全高齢者が高優先順位の接種対象
カナダ 85歳以上などの超高齢者での効果が不明瞭であること,一般論として高齢であるほどワクチンによる免疫獲得能が低下することには言及しつつ,接種年齢上限には言及なし
オーストラリア 高齢者は施設入所者>80歳以上>70歳以上の順に優先接種対象
シンガポール 高齢者は優先接種対象
ノルウェー 接種対象者自体を65歳以上高齢者または合併症のある成人に限定
スウェーデン 高齢者を含む接種年齢上限について特に言及なし
イスラエル 高齢者を含む接種年齢上限について特に言及なし

ノルウェーでの高齢者接種後死亡はワクチンとの因果関係なし

ノルウェーにおいて「施設入所中の高齢者のうち23人が,新型コロナワクチン接種後1週間以内に死亡した」と一部報道にありました.

これについてノルウェー政府は,「国立公衆衛生研究所およびノルウェー医学会による調査の結果,23人の死亡と新型コロナワクチン接種の間に因果関係を示唆するものはない」旨を,2021年1月21日付で発表しています.
死亡した23人の高齢者はいずれも重い合併症があったこと,統計学的解析により新型コロナワクチン接種が死亡を増加させるとは言えないこと,ノルウェーの高齢者入所施設では毎週300人超が亡くなること,に言及しています.

No indication of causal relationship between COVID-19 vaccination and death (Date: 21/01/2021)

いわゆる「紛れ込み」(ワクチン接種直後に別の原因による有害事象や死亡が偶然重なること)と考えられます.

ノルウェーの事案を理由に,施設入所高齢者への新型コロナワクチン接種をためらう必要はないでしょう.

ただし,施設入所者をはじめ高齢者はもともと疾病リスク,死亡リスクが高いため,紛れ込みが生ずる可能性についても丁寧に説明する必要があります.これは新型コロナワクチンに限らずすべてのワクチンで注意すべきことです.


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小児

3ワクチンとも治験参加者は16歳または18歳以上でした.そのため16歳または18歳未満の小児における効果と安全性は確認されていません.

※ただし,Pfizerワクチンでは総参加者43,455人中,12-15歳の小児が100人だけ含まれていました.小児100人中に治験期間中のCOVID発症者は実薬群・プラセボ群ともにいなかったものの,追跡における人年法の算出には組み入れられています.この点で,Pfizerワクチンに限っては12-15歳の安全性については限定的ながらも検証されていると言えます.

また,小児のCOVIDは無症状または極めて軽症であることが殆どです.

かつ,3ワクチンとも接種済み者から周囲への感染伝播を予防できるか否かが治験では確認されていません.

小児での効果と安全性が確認されておらず,周囲への感染伝播阻止効果も不明瞭なワクチンを,COVID発症リスクが低い小児に接種すべきかについては,現時点ではサイト管理者は懐疑的です.

ただし,英国等の指針にもあるように,COVID重症化リスクが高い小児については,保護者とも充分協議の上で個別の判断で接種を検討してもよいのではと考えています.

小児:日本での指針

厚生労働省は2021年1月31日現在,「新型コロナワクチンのお知らせ」において,「子どもが接種の対象となるかどうかなどは安全性や有効性の情報などを見ながら検討されます」と言及しています.

すなわち,日本では現時点では小児は接種対象には含まれていません.

なお,「医療機関向けの手引き」では16歳未満への予防接種における一般的な手順(保護者の同意取得等)について注意喚起していますが,これは現時点で小児への接種を前提としているわけではなさそうです.将来的に接種対象に含まれる可能性に備えて,保護者の同意取得等について今のうちから一般的な注意喚起をしておこうという,役所的な発想と考えられます.

小児:各国での指針

以下に各国政府等の指針をまとめます.

米国 Pfizerワクチンは16歳以上,Modernaワクチンは18歳以上で認可.それ未満の小児は認可外(接種対象外)
英国 16歳未満の小児への接種は推奨しない.重篤な神経学的合併症が原因で呼吸器感染を生じやすい小児等,およびPfizerワクチン限定で12-15歳の小児では,それぞれ接種を検討してもよい(PDF13ページ)
カナダ 16歳未満の小児へは接種すべきでない.12-15歳かつCOVID重症化リスクが極めて高い小児についてはPfizerワクチンの接種を検討してもよい
オーストラリア 16歳未満小児の接種優先順位を最後尾とした上で,もし将来的に推奨されるならば接種対象とする
シンガポール 16歳未満小児は効果と安全性が確認されるまでは推奨しない
ノルウェー 接種対象者を65歳以上高齢者または合併症のある成人に限定しているため,小児は対象外
スウェーデン 18歳未満小児は現時点では対象外
イスラエル 16歳未満小児は対象外


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妊婦

本項では「妊娠中」の女性について論じます.「妊娠前」の女性と男性については妊娠挙児を希望する男女の項を参照してください

3ワクチンとも治験では妊婦は除外しています.したがって妊婦における効果と安全性は全く検証されていません.
そもそもどんなワクチンでも,最初の開発段階で妊婦を治験に組み入れることはしません.倫理面のハードルが高すぎますし,実際に充分数の妊婦を登録することも困難です.

COVIDワクチンの妊娠への影響を検証する研究をハーバード大学等が計画していますが,2021年1月現在ではまだ参加者の登録すら始まっていません.

COVID-19 Vaccines International Pregnancy Exposure Registry (C-VIPER)

一方で,認可後(市販後)に妊婦に接種されるようになったワクチンは複数あります.
百日咳ワクチン,不活化インフルエンザワクチンはその典型です.

百日咳ワクチン,不活化インフルエンザワクチンの妊婦への接種

  • 百日咳ワクチンは,妊婦に接種することで母胎内に抗体が産生され,経胎盤的に胎児に移行することで出生直後の新生児を百日咳から守ります.百日咳ワクチンは生後2ヶ月以降にしか接種できないため,百日咳が流行する環境では新生児百日咳死亡の予防には妊婦への接種が有効なのです.
  • 妊婦が季節性インフルエンザに罹患すると,非妊婦に比べて重症化(入院)率や死亡率が増加することが以前から知られています.妊婦自身を守るために,不活化インフルエンザワクチンの接種が推奨されます.

妊婦とワクチンについての原則は,生ワクチンと非生ワクチン(不活化など)で異なります.

  • 生ワクチンは,胎児への理論的なワクチン株感染リスクと感染による先天異常や妊娠合併症のリスクがあるため,妊婦には接種禁忌
  • 非生ワクチン(不活化など)は,抗原のみが母胎内を循環するため理論的には胎児への障害は考えにくく,接種による利益が有害事象のリスクを上回るならば接種可

ではCOVIDではどう考えるべきか.

COVIDに感染した妊婦は非妊婦に比べて重症化しやすい可能性が指摘されています.

Wastnedge EAN, Reynolds RM, van Boeckel SR, et al. Pregnancy and COVID-19. Physiol Rev. 2021;101(1):303-318. doi:10.1152/physrev.00024.2020

そして3ワクチンのうち,PfizerおよびModernaのmRNAワクチンは純然たる非生ワクチンです.核酸の断片(mRNA)を接種し,それが細胞質内で抗原タンパクを産生するのみです.

接種する物質がmRNAであるという点に漠然とした不安を覚えるかもしれません.実際,巷で見聞きする不安に,「接種されたmRNAが自分の遺伝子に組み込まれてしまうのでは」というものがあります.しかし分子生物学の理屈として,「投与したメッセンジャーRNAが細胞核内に移行し,逆転写によってDNA(cDNA)に変換され,あまつさえそのDNAがヒト遺伝子内に組み込まれる」ようなことは,あり得ません.もしそういうことが起きるならば,一般的なウイルス感染でもウイルス遺伝子がヒトの遺伝子に簡単に組み込まれてしまい,「アデノウイルスの配列が組み込まれたヒト」「ノロウイルスの配列を持つヒト」が次々に登場するはずですが,もちろんそんな現象はないのです.

すると,Pfizer/Modernaワクチンが妊婦のCOVID感染および重症化を予防し,未知の有害事象(接種による妊娠合併症や先天異常等の増加も含む)のリスクも上回ると判断するならば,個別の判断で接種を検討してもよいことになります.

一方で,AstraZenecaワクチンはウイルスベクターワクチンであるため,投与時点では「活きたベクターウイルス」が体内を循環します.組み込まれた遺伝子だけが細胞質内で抗原タンパクを産生するという点では非生ワクチンと言えるでしょうが,妊娠の観点からは「活きたウイルス」であることに注目すべきかもしれません.ベクターウイルスとして使われているチンパンジーアデノウイルスはヒトへの病原性を持たないとはいえ,胎児への影響もないと証明したエビデンスは現時点ではありません.

しかし問題は,Pfizer/Modernaワクチンが妊婦のCOVID感染および重症化を予防するかどうかは検証されていないことです.
効果が未検証,有害事象も未検証の現状で,COVID重症化のおそれがある妊婦への接種は,禁忌とも推奨とも簡単に決められないのです.

そのため,日本を含む各国で判断がわかれています.

また,そもそも妊娠では,特定の原因がない流死産,早産,その他妊娠合併症および児の先天異常などが,一定の確率で発生します.
COVIDワクチンの接種後にそれらが生じた場合,個別の症例については接種との因果関係を肯定することも否定することも困難です.しかし,当事者の妊婦や家族親族は接種が原因でそうなったと結び付けてしまうことが大いに予想されます.

妊婦に接種する場合は,そうした心理的負担まで充分に説明し,妊婦だけでなく広く家族親族が充分に納得した上で接種可否を決定することが大切でしょう.

妊婦:日本での指針

厚生労働省は2021年1月31日現在,「新型コロナワクチンのお知らせ」において,「妊婦を優先するかどうか(中略)は、安全性や有効性の情報などを見ながら検討されます」と言及しています.

すなわち,日本では現時点では妊婦は「優先接種対象」には含まれていません.「優先接種対象」に含んでいないということは,優先ではない接種対象に含む可能性をまだ残していると解釈できます.少なくとも,現時点では絶対的な禁忌にはしていない,と言えます.

しかしそれ以上の厚生労働省の指針は現時点では不明です.

それに対して,2021年1月25日付で日本産婦人科感染症学会が次のような声明を出しています.

日本産婦人科感染症学会|COVID-19ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ(令和3年1月25日)

提言部分を以下に転記します.

  1. COVID-19 ワクチンは、現時点で妊婦に対する安全性、特に中・長期的な副反応、胎児および出生児への安全性は確立していない。
  2. 流行拡大の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない。接種する場合には、長期的な副反応は不明で、胎児および出生児への安全性は確立していないことを接種前に十分に説明する。同意を得た上で接種し、その後30分は院内での経過観察が必要である。器官形成期(妊娠12週まで)は、ワクチン接種を避ける。母児管理のできる産婦人科施設等で接種を受け、なるべく接種前と後にエコー検査などで胎児心拍を確認する。
  3. 感染リスクが高い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している方は、ワクチン接種を考慮する。
  4. 妊婦のパートナーは、家庭での感染を防ぐために、ワクチン接種を考慮する。
  5. 妊娠を希望される女性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。(生ワクチンではないので、接種後長期の避妊は必要ない。)
  • 患者さん一人一人の背景が違いますので、まずは産婦人科の主治医と十分にご相談ください。

すなわち日本産婦人科感染症学会は,

  • 妊婦を接種対象から除外せず,
  • COVID感染リスクが高い妊婦(医療従事者,肥満,糖尿病など)で接種を考慮し,
  • 接種する場合は,母児管理が可能な施設において,充分に説明した上で行うこと

を提唱しています.

妊婦:各国での指針

以下に各国政府等の指針をまとめます.

米国 医療従事者などの接種推奨対象である妊婦は,周囲の流行状況,本人の感染リスク,ワクチンの効果,未知の有害事象リスク等について本人と接種医が充分に検討した上で,mRNAワクチンの接種を選択してもよい.mRNAワクチン接種後に妊娠を試みる場合は,特に間隔を空ける必要はない
英国 AstraZenecaワクチンのベクターウイルスは増殖能を失活させてあるため理論的には妊婦にも胎児にも感染せず,同じくウイルスベクターワクチンであるエボラワクチンは広く女性に接種されてきたが妊娠への影響は報告されていないが,COVIDワクチンは妊婦には積極的には推奨しない.感染リスクが高い妊婦,合併症がある妊婦では接種を検討すべきである.接種後に妊娠が判明した場合は中絶は推奨せず,完遂することを勧告する(PDF13ページ)こちらも参照
カナダ 妊婦のリスクアセスメントの結果,接種による利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断した場合は,充分なインフォームドコンセントの下で接種してもよい
オーストラリア 妊婦へのPfizerワクチンの接種について専門家グループが検討中であり,近日中に発表する予定(2021年2月2日閲覧時点)
シンガポール 妊婦への接種は推奨しない
ノルウェー 妊婦への接種について言及なし
スウェーデン 妊婦への接種は行わない
イスラエル 妊婦への接種は可能※妊婦への接種の詳細な声明はヘブライ語のみ提供


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妊娠挙児を希望する男女

本項では「妊娠前」の女性と男性の両方について論じます.「妊娠中」の女性については妊婦の項を参照してください

妊娠挙児希望男女:日本での指針

妊娠挙児希望男女:各国での指針

以下に各国政府等の指針をまとめます.

米国 医療従事者などの接種推奨対象である妊婦は,周囲の流行状況,本人の感染リスク,ワクチンの効果,未知の有害事象リスク等について本人と接種医が充分に検討した上で,mRNAワクチンの接種を選択してもよい.mRNAワクチン接種後に妊娠を試みる場合は,特に間隔を空ける必要はない
英国 AstraZenecaワクチンのベクターウイルスは増殖能を失活させてあるため理論的には妊婦にも胎児にも感染せず,同じくウイルスベクターワクチンであるエボラワクチンは広く女性に接種されてきたが妊娠への影響は報告されていないが,COVIDワクチンは妊婦には積極的には推奨しない.感染リスクが高い妊婦,合併症がある妊婦では接種を検討すべきである.接種後に妊娠が判明した場合は中絶は推奨せず,完遂することを勧告する(PDF13ページ)こちらも参照
カナダ 妊婦のリスクアセスメントの結果,接種による利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断した場合は,充分なインフォームドコンセントの下で接種してもよい
オーストラリア 妊婦へのPfizerワクチンの接種について専門家グループが検討中であり,近日中に発表する予定(2021年2月2日閲覧時点)
シンガポール 妊婦への接種は推奨しない
ノルウェー 妊婦への接種について言及なし
スウェーデン 妊婦への接種は行わない
イスラエル 妊婦への接種は可能※妊婦への接種の詳細な声明はヘブライ語のみ提供

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授乳婦

妊娠挙児希望男女:日本での指針

妊娠挙児希望男女:各国での指針

以下に各国政府等の指針をまとめます.

米国 医療従事者などの接種推奨対象である妊婦は,周囲の流行状況,本人の感染リスク,ワクチンの効果,未知の有害事象リスク等について本人と接種医が充分に検討した上で,mRNAワクチンの接種を選択してもよい.mRNAワクチン接種後に妊娠を試みる場合は,特に間隔を空ける必要はない
英国 AstraZenecaワクチンのベクターウイルスは増殖能を失活させてあるため理論的には妊婦にも胎児にも感染せず,同じくウイルスベクターワクチンであるエボラワクチンは広く女性に接種されてきたが妊娠への影響は報告されていないが,COVIDワクチンは妊婦には積極的には推奨しない.感染リスクが高い妊婦,合併症がある妊婦では接種を検討すべきである.接種後に妊娠が判明した場合は中絶は推奨せず,完遂することを勧告する(PDF13ページ)こちらも参照
カナダ 妊婦のリスクアセスメントの結果,接種による利益が未知の有害事象のリスクを上回ると判断した場合は,充分なインフォームドコンセントの下で接種してもよい
オーストラリア 妊婦へのPfizerワクチンの接種について専門家グループが検討中であり,近日中に発表する予定(2021年2月2日閲覧時点)
シンガポール 妊婦への接種は推奨しない
ノルウェー 妊婦への接種について言及なし
スウェーデン 妊婦への接種は行わない
イスラエル 妊婦への接種は可能※妊婦への接種の詳細な声明はヘブライ語のみ提供


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アナフィラキシー既往歴

アレルギー既往歴(アナフィラキシーを除く)

HIV感染者

免疫抑制状態(HIV感染以外)

悪性腫瘍

抗血小板療法、抗凝固療法、出血傾向、出血性疾患

心血管リスク、生活習慣病

その他合併症、臓器疾患

他ワクチンとの接種間隔または同時接種